家二郎研究室(2006.10.24UP)

 まだ駆け出しなのでベテランのイエジロリアン(?)や自作ラーメンマニアの
皆さんの足元にはとうてい及びませんが、いろいろ研究してみることにしました。
次回にはまた一歩ホンモノに近づきたいですね。

【素材】

二郎で使われる素材の役割をざっと書き出してみましょう。

オーション
(麺)
日清製粉の小麦粉。粗蛋白13.0%灰分0.52%。
菓子パンやそばのつなぎに向いている粉だそうです。
計り売りはプロフーズというお店以外にはやってなさそう。
麺の太さ、固さ色合いは店により異なる。
自家製麺でない店は『二郎』の名前を掲げられなくなった。
カネシ醤油 カネシ商事が納入している二郎専用に調合された醤油で
以前は千葉の柴崎味噌醤油が製造していたが現在の委託先は不明。
醸造は本醸造ではなく新式醸造。
元々『カネシ』という醸造元→廃業→柴崎に製造委託という説や
「シ」バサキのブランドが『カネ“シ”』であり、首都圏販売元が
関連会社のカネシ商事である、という説がある。
また三田のオヤジが資本参加しているかは不明。
2010年秋現在、醤油がカネシではなくなったという説が出ているが未確認。
『二郎』の看板を降ろした店では二郎専用は使えないので
カネシの一般業務用や窪田醤油を使用している。
品川店は本醸造醤油を使用しているとの噂もあるが詳細は不明。
みりん風調味料 キッコーマンのこってりんが定説だったが
現在三田は私市醸造(キサイチ)のものらしい。
相模大野ではキサイチが置いてあるのを確認できた。
どこだか忘れたがこってりんも見たことがある。
品川店では本みりんを使用している。
これとカネシを調合してタレにしているが
調合割合は店により異なり、各店主もスープに合わせて
ちょこちょこ割合を変えて試しているようである。
スープ トンコツと豚肉と背脂を煮込んで作る。
他に、ネギ、キャベツの芯、ショウガ、ニンニクが入る。
他の野菜や肉も入れる店もあるが基本的には前述の材料。
濃さはラーメンに入るブタの大きさ、量に比例する場合が多い。
毎日継ぎ足して作るが、長期休暇で一旦廃棄した場合は
再開後3日間くらいはスープが薄いと言われている。
再開数日前から新しいスープの仕込みをしたり、
また長期休暇にもかかわらずスープを廃棄せずに
時々、鍋に火を入れに店に出るという場合もあるらしい。
ブタ ダシ兼用。基本的にはスープの寸胴で煮込んだものを
タレ(カエシ)の容器に漬け込んで作る。
スープとは別に煮て、その煮汁をスープ補充に使う店もある。
三田は腕肉だが、ロースやバラを使っている店もある。
店により大きさ(厚さ)、枚数、が異なる。
ヤサイ キャベツとモヤシを茹でたもの。茹で加減、量は店ごとに異なり
助手によっても盛りや茹で加減に差が出る場合がある。
めじろ、小金井、野猿はデフォルトの盛りが多いことで有名。
キャベツを店で刻む場合と刻んである業務用を使う店がある。
刻みキャベツとモヤシの混合パックを使っている店もあるが、
これは私の経験上、あまりおいしくなかった。
キャベツは嬬恋高原キャベツが多い。モヤシは一部の店で
高い雪国モヤシをつかっているという噂もあるが定かではない。
ニンニク これ抜きに二郎は語れません。たぶんほとんどが中国産。
マルジでは有料のトッピングで国産ニンニクを用意している。
袋入りの剥きニンニクを仕入れている店もある。
クッキングカッターで刻まれ、粒は店によって大きさが異なる。
スープにブタを入れ継ぎ足す際はこの刻みニンニクを何杯も入れる。

【麺】

 麺つくりが一番経験が浅いですが、なんといっても二郎は
あの麺の味と食感がなければ始まらないので、まずは麺について。

 一般的なラーメンは弱強力粉らしいですが、二郎では伝統的に強力粉、
それも蛋白質と灰分割合の高いオーションのみであの独特な麺を作っています。

 小麦粉はかんすい(アルカリ性)を加えることによりグルテン(蛋白質)に作用し
ラーメン独特の食感と腰と色合いと風味を作り出します。
 ということは、小麦粉に含有するグルテンが高いほどかんすいの使用量は
少ないはず、ではないかと思います。
 二郎の麺は一般のラーメンに比べ黄色味が少なくボソボソなので
かんすい割合が意外と低いのかもしれません。
 新代田や丸新系はかんすいがやや多目なんでしょうか?

 さて、家二郎ですが、今まで(2回だけだが)は一般的に売っているカメリアを
使いましたが、次回は蛋白質と灰分がオーションに近いものを使いたいところです。
 通販のオーションだと送料の方が高くつきそうなので躊躇してしまいます。
パンでも頻繁に焼くなら25kg入りを買ってもいいですが、そうもいきません。

 他の粉なら会社の近くで購入できるので代用を考えてみることにしました。
現在の候補はゴールデンヨット(日本製粉)粗蛋白13.5%灰分0.46%か
スリーグッド(第一製粉)粗蛋白13.4%灰分0.50%のどちらかにしようと思っています。

【タレ(カエシ)】

 二郎のタレは素材のところにも書いた『カネシ』を使った独特の味です。
よく「カネシが効いててガツンとパンチのある味」なんて言われますが、
普通の人が聞いたらなんじゃそりゃ?でしょう。(笑)

 私も何回か色々な配合でタレを作りましたが、どうも二郎はおろか、
中華ソバのタレにもならないものでした。
 普通の醤油だといわゆる醤油臭さばかりになってしまい、「たまり醤油らしい」
というのをどこかで読んだので使ってみましたがやはり味がありません。

 カネシは「刺身には使えない」ほど塩辛いらしいので、どこの家二郎レシピにも
書いていないのですが、タレを塩で調整してみるしかなさそうです。
 どこかカウンターに醤油差しで置いてある店でカネシの味見をして
前回のたまり醤油タレを調整してみることにします。

【スープ】

 執筆中。いずれUPします。


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